オリエンテーション終了

今週は月曜から金曜日までオリエンテーション。前回の投稿にも書いたが、オリエンテーションと言うと1日数時間座って諸々の説明を聞くだけと思いきやこれが想像以上にハードだった。月曜~金曜まで毎日9~17-18時までみっちりスケジュールが組まれている上に、夜はパーティーや課題に時間が費やす必要があり、気づけばあっという間に過ぎていった。ということで、オリエンテーションでの気づきと学びを3点ほど。

1. Leadership
MBAと言うと、経営に関連する学問を学ぶというイメージがあるがオリエンテーションで再三再四言われるのは「リーダーになれ、それも今この瞬間から」ということである。MBAに係る学内外全てのイベントにおいて、率先して役割を引き受けたり提案をするリーダーの存在があり、ここはまず日本との文化の違いを如実に感じるところであった。オリエンテーションの後半からは、LEADの授業(ケースディスカッション形式)も始まり、キング牧師の演説や「ハドソン川の奇跡」、チャレンジャー号爆発事故等の事例を通して、リーダーとしての資質(特に人を動かし巻き込む力)やリーダーとして正しい意思決定をするために必要な心構え(特に網羅的かつ正確なデータに基づく点)、組織文化の重要性を学んだ。チャレンジャー号爆発事故と同様の状況を想定したケースが事前に出されていたが、実際に僕を含むクラスメートの大半が部分的なデータに基づいて意思決定を行ってしまったことが授業で判明し、リーダーになるためには常に冷静かつ謙虚に情報を収集し、その上で最後は毅然と行動することが重要であると改めて肝に銘じた一週間であった。

2. Diversity
リーダーシップの次にテーマとなったのがダイバーシティ。他のUSトップスクールと同様にアメリカ人が60%前後を占めるだけあって、この点は学校も特に意識していることがオリエンテーションの至る所で伝わってくる。International students向けのオリエンテーションや、パートナー・ファミリーを連れてのイベント、Diversityをテーマにした講演があるのは意外だったが、それ以上にpositive surpriseだったのがこれまでの所自分がMinorityとあまり感じる場面が無いことである。スタディーグループ含め周りは過半数がアメリカ人なのだが、彼らも大元の母国や職業等のバックグラウンドは様々であり、見た目や人種で自然とMinorityになるということは少なくともMBA内では無いと感じる。言い換えると、クラスやコミュニティーでの貢献などを通して存在感を発揮できれば、誰もが主役になれる環境だと思う。それだけに、むしろ自分の英語能力の無さ(特にリスニング)や純ドメでアメリカ文化に十分慣れていないことが悔やまれるのだが、、まずは日本食やスポーツなどを通してクラスメートと馴染み、ラーニングチームでは率先して成果物を作成することで存在感を発揮していきたいと思う。

3. Representative of the Country
そして、最も印象に残っているのがそれぞれの生徒が国を代表してきているということで、これを特に感じたのがダイバーシティに関する講演後のクラスルームセッション。この講演はアフリカにルーツのある女性によるもので、講演の中で彼女が上海に仕事で行った時に現地の人から異様な目で見られた経験を語り、マイノリティーに対する理解を訴えていたのだが、クラスルームセッションでは中国人クラスメートの女性が
「彼女が用いた説明は不適切だと思う。上海の人が彼女を見たのは、単に自分達と違うからだけであり、そこに悪意は全くない。そして、それ以上に重要なのは上海・北京はじめ中国がゆっくりであっても着実に変化を遂げていることであり、実際に今大都市では沢山の外国人がいて、彼らを受け入れている文化も育っている」
と毅然と話し、中国に対するクラスメートの意識を間違いなく変えたことである。これが(非常に小さい規模ではあるが)国際社会で自国のプレゼンスを保つことかと自覚すると共に、自分が同様の状況になった時に役割を果たしたいと強く思った瞬間でもあった。そして、別の視点から見るとその様な国の代表者が70人のクラスに4~5人いる中国と、他の東南アジア諸国と同様1人しかいない日本の影響力の違いも感じざるを得ない。中国人クラスメートの中には今回MBAで初めてアメリカに住む人もいるにも関わらず、皆自分よりはるかに英語が上手く、その理由を聞くと「中国は国家政策として2000年初頭から英語を含む2か国語教育に(大都市では小学校1年生から)相当の力を入れてきたことが影響してるんじゃないか」とのこと。日本も遅らせながらやっと2011年から小学校(5,6年生)での英語義務教育が始まった(らしい)が、観光地やオリンピックの開催地として注目されている今だからこそ、これから世界の中で日本がどの様な立ち位置を取るのか、そしてそのために英語教育・海外大学/大学院への人材派遣はどうあるべきか、真剣に語るべきテーマだと思う。


↑オリエンテーション中日の水曜日夜に開催されたクラスター対抗のダンス競争。こういう所にもど真剣に取り組むMBA文化の良さを感じた一時。

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