Mid-term Exam終了

今日でMid-term Examが終わり、同時にFall termの前半戦(A-term)が経過したことになる。簡単ではあるが、A-termの振り返りをしてみようと思う。僕がFall termで取っている授業はコア(必修授業)のManagerial Economics、Managerial Statistics、Strategy Formulationとエレクティブ(選択授業)のCapital Markets and Investments、Real Estate Financeの計5科目(週15時間)であるが、僕が取ったエレクティブはいずれもB-termまで継続するため、今回はコア3科目に関して。
①Managerial Economics
– いわゆるミクロ経済学。限界収入・限界費用・限界利益や需要供給曲線、ゲーム理論やオークション理論など内容は極めてオーソドックスであるものの、様々なケーススタディーやチームワークを通して学ぶため、企業が様々なシチュエーションにおいてどの様に価格を決定するか、また市場価格がどの様に決まるかをより実践的に理解することができる(例として、Uberの価格決定の仕組みやeBay・Yahooオークションが2nd Price Auctionの仕組みを採用して理由、などなど)。昨今ビックデータやデータアナリティクスが注目を浴びている中、じゃあビックデータやデータアナリティクスを使って何をするの?という問いに対する1つの活用例がこのミクロ経済のより厳密かつ幅広い場面への応用だと思う。なので、これから経営に多少なりとも関わる人は改めて学ぶべき分野だと強く感じる。
②Managerial Statistics
– これは文字通り統計学。僕は大学が商学部ということもあり恥ずかしながら統計をほとんど学んでおらず、、今回本格的に学ぶ初めての機会。そして、不慣れな科目を母国語以外(英語)で学ぶことの大変さを痛感することに。。ただ統計学自体は、これまでの実務においてもバリュエーションの際に有意な比較企業を抽出する場面や企業の財務数値とKPIとの相関性を確認する場面等で使っており、今回その背景にある前提や考え方を学ぶことができたのは個人的には一番収穫だった。ということで、こちらも経営、特にファイナンスに関わる人は必須の科目。
③Strategy Formulation
– これはいわゆる戦略論。そして、残念ながら今回の授業で唯一外れだったと感じた授業。。内容は、各授業の前に現在ホットもしくは過去にホットだった企業(Uber、Apple、Disney、Walmart、Sumsungなど)に関する5-10ページのケース(基本的には直近の転換点までの企業の沿革や競合他社の概要)を読み、それに関して90分の授業でクラスディスカッションをするというものだが、なぜ外れだと感じたかと言うとまず教授が単にWTP (Willingness To Pay)//WTS (Willingness To Sell)や4Pなどフレームワークに沿って事実をなぞっていくだけ、かつケースに対して(なるほどと思う)示唆を全くと言っていいほど出さなかったことにある(授業が始まってから知ったのだが、この教授、昨年の戦略論の教授の中でもダントツで生徒からの評価が悪く、そして今年も始まって2,3回目の授業で多くのクラスメートがおや?と感じ始め、どんどん評価が悪くなる一方、、)。あまりにもがっかりしたので、中間時でのアンケートでも上記の思った内容を率直に書いたのだがそんなにすぐ改善される訳は無く、後半からは授業の流れをあまり追わずに自分なりの気づきや学びを得ることに専念。大学時代に学んだN上先生の戦略論は本当に面白くて、授業が終わった後に三枝匡さんの本を読み漁った思い出があったため、同じ戦略論の授業でどうしてここまで面白さに差が出てしまうのかと考えてみると、教授だけでなくそもそもカリキュラムにも問題があるのかなという結論に至る。まず戦略論の対象企業としてAppleやDisneyを選ぶ意義がどうしても見えない。AppleやDisneyがどうして成功したのかというと一番は良いプロダクト、良いコンテンツを生み出した点に帰結すると思うし、実際に授業でもその様な方向性に進んだのだが、ではそれを知ってこれから学生はどう経営に生かすのというと?となってしまう(もちろんAppleやDisneyもiTunesでユーザーの囲い込みをしたり、コンテンツのチャネルを幅広くして収益源を多様化したりと経営上見本となる点は沢山あるのだが、それもこれも良いプロダクト・良いコンテンツがあって初めて可能になることで、じゃあそもそも良いプロダクト・良いコンテンツを作るためにどういう経営をしているの?という点に関しては90分1回きりの授業では全く触れられない)。そして、より重要なのは企業が選択した戦略の立体図がほとんど浮かび上がってこないことだと思う。企業が選択する戦略や行動の背景には様々な沿革や市場環境、競合他社の動き(三枝さん風に言うと“ドラマ”)があるにも関わらず、いきなり企業が採用した戦略=結果だけをクローズアップしてディスカッションしても面白いね、すごいねぐらいの感想にしかならない。これも1つの会社を90分1回きりで扱う上での限界なのだが、であればこの授業は「戦略立案」ではなくて「Hotな企業の概要」ぐらいのタイトルにした方が学生との期待ギャップが解消されていいのかなと思う。
ということで、いまいちなカリキュラムの授業にいまいちな教授が掛け算されると到底期待とはかけ離れる授業ができあがる良い例を学ぶことができたのはよかった。クラスメートの中には(コアにも関わらず)途中で他の教授が教えている他クラスの戦略論授業に変更するぐらいのメンバーもちらほらいたが、特にソフト系の授業は教授次第で学びの手助けが変わってしまうのでよくよく選択することをお勧めします。。

最後は(学校に愛着を持っているが故の)酷評が多くなってしまいましたが、これまでのMBAでの学習は総じて期待以上のものです。というのも、MBAに来るまではなんだかんだ言っても実務で得られる以上の学びはアカデミックからは無いと思っていたのですが、普段実務では何となく通り過ぎてしまう手法や考え方の背景を体系的に学べることの重要性を身に染みて感じるからです(もちろんそこに何千万円の投資をするべきかというと全く話は変わりますが、、)。自分にはこんなにも知らないこと/学べてないことが多くあることを知ることができ、これからアカデミックと実務の両輪を回していければ理想的だなと思います。

※アイキャッチ画像は、ビジネススクールの図書館Watson Libraryの館内。試験期間中はみんな黙々?と勉強しています。

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