渡米後初めての帰国と外から見た日本

先週はサンクスギビング休暇ということで、水・木・金と学校が休み。たまたま土曜日に東京で高校友人の結婚式があったので、実家に帰る用事と兼ねて2泊4日の弾丸ツアーで日本に帰ることに。

渡米後初めての帰国、とはいえまだ4ヶ月しか経っていないので久しぶりな感じは全くしないのですが、帰ってみると自分の中でこれまでと日本の捉え方が変わっていることに驚いたので、その内容を書きたいと思います。

・ダイバーシティの違い

まず羽田空港に降り立って、周りに日本人しかいないことに違和感を感じた自分に驚きました。最近は日本国内でも盛んに「ダイバーシティ、ダイバーシティ」って言われていますが、今回「あ、日本ってこんなにダイバーシティが無いんだな」って初めて腹落ちした気がします。

ただ、ダイバーシティがあれば必ず社会が上手くいくなどという単純なものではないというのが厄介な所です。英語のプライベートレッスンをお願いしているアメリカ人の先生からは「アメリカはダイバーシティがあり過ぎて社会が不安定になっている」という話も聞きますし、実際に僕もこの点を授業や日々のニュースから実感します。

まずは、高齢化や人口・労働力不足、また海外同業他社との競争など日本が抱える様々な課題に対して、ダイバーシティがどの程度解となり得るのか考える必要があるかもしれません。

そして、もう1つ重要だと思われるのが、仮にダイバーシティな環境があったとして、どの様にして色んな人がフェアに活躍できるかという点です。日本で暮らした経験があるインターナショナルな同級生や知り合いの話を聞くと、日本で閉塞感や息苦しさを感じてしまう経験がどうしてもある様です。この点はなかなか一朝一夕には解消しないですが、日本から海外に出る人、そして海外から日本に来る人を増やしていく中で徐々に相互理解を深めていくしかないのかなと思います。

・日本の製品・サービスのきめ細かさに見る強みと弱み

もう1つ、今回日本に帰った時に印象に残ったのは、日本の製品・サービスのきめ細かさです。実家でゴロゴロしている時に見たとある大手家電メーカーの最新冷蔵庫のCMで、冷蔵庫に手を近づけるだけ、しかも左右両方!から開くという新製品が宣伝されていて、改めて日本製品の高機能性を感じると同時に「この機能は本当にいるのか?価格訴求力があるのか?」と、日本で暮らしていた時には思いもしなかったようなことをふと考えていました。

というのは、アメリカで暮らし始めて、こっちの製品・サービスは本当に最低限の質だなと感じるからです。奥さんと普段話していて、「アメリカの製品・サービスの方が優れているって思うものって今の所1つもないね」という話題によくなります。ものはよく壊れるし、使いにくい物や不便なサービスが多い。それでもアメリカの消費者はその製品・サービスを購入します。そしたら、もうちょっと日本の製品・サービスがアメリカ市場を席巻してても良いのではと思うのですが、実際にはそうなっていない。一方、ITの分野ではアメリカ発の会社が世界を席巻している。

こうして見ると、やはり日本は製品やサービスを1→100、特に70→90に高めるのが得意な国なのかなと考えられます。なので、70、さらには50のクオリティで良い(その代わり価格は安くある必要がある)市場や0→1が重要なITの業界、または事業や組織を組み替えるといった70→0→80の経営上の意思決定では後れを取ってしまう。

これは、どちらが良い悪いという話ではなく、(少なくともグローバルな世界で戦う際には)日本の素晴らしい製品・サービスの強みと弱みを理解し、外の世界(ゲームのやり方)を理解した上で戦っていく必要があるということ、そして国・組織・個人として0を仕組みとして意識的に組み込む必要があるのではないかということではないかと思います。

 

と、つらつら書きましたが(漠然としながらも)日本を異なる視点で見ることができるのも海外留学の1つの価値だと改めて認識し、やはり海外旅行と海外での生活は全く別物だと実感した帰国でした。
(高校同級生の結婚式で隣に座られた方が国際分野でご活躍されてきた弁護士の奥様で、たまたま昔旦那様の仕事の関係でニューヨーク、しかもコロンビア大学付近で生活していたとお伺いし、海外は生活してみないと見えない世界が沢山ありますねという話ができたのも今回の帰省の1つの思い出になりました。)

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