Fall term終了と授業の振り返り

先週でFall termが終了。色々なことがあったが気づけばあっという間の4か月間だった。冬休み最初の1週間はCBSや中学・大学の同級生と会ったり、クリスマスを楽しんだり、年賀状を書いたり、大掃除をしたり、本を読んだりして過ごしていたが、ちょっと余裕ができたのでFall termの授業の振り返りをしようと思う。

A-term(Fall term 前半)で終了した授業に関しては以前投稿した通り(「Mid-term Exam終了」ご参照)なので、今回は前後期にまたぐCapital Markets & InvestmentsとReal Estate Finance、およびB-term(Fall term 後半)のみのGlobal Economic Environment、Business Analytics、Marketingについて。

  • Capital Markets & Investments

大きく資本市場・ポートフォリオ全般に関する内容から始まり、債券、ポートフォリオ選択、パフォーマンス評価、行動ファイナンス、オプション理論で構成される。僕はこれまでM&Aアドバイザリーやヘッジファンドのインターンで基本的には資本市場における株式の側面しか見ていなかったため、資本市場を構成する要素全般に関して基礎的な内容を理解するという点では良かったと思う。

ただ(教授にもよるのかもしれないが、)目新しいあるいは実践的な内容を学ぶという訳ではないため、学部時代に上記いずれの内容も勉強して一通り理解しているという人はExempt(免除)して、より自分の興味に合った授業を選択した方が良いかもしれません。

  • Real Estate Finance

不動産の評価から始まり、資本構成、NPV/IRRの計算、デフォルトの選択、ローンのリストラクチャリング、メザニンローンの評価、更地の開発・評価・リスク/リターン、不動産証券化(CMBS, CDO, REIT)などで構成される。

(期待が高かった半面)ちょっとだけ失敗したと思った授業。というのも、CBSに数ある不動産授業の入門編と聞いていたので、アメリカの不動産や不動産取引全般(どちらかというとB/Sの借方サイド)に関して学ぶものと想定していたのだが、内容は主にファイナンス(どちらかというと貸方サイド)が中心で不動産というより金融の授業を受けているという感じ(授業名が「Real Estate Finance」なので当然と言えば当然なのだが、、)。今回は必修授業のスケジュールの関係で取れなかったのだが、不動産現物に関して学ぶという観点ではReal Estate Transactionの方が目的に合っていたかもしれない。

ただ不動産取引におけるファイナンスの重要性を考えると、(特に、リーマンショックを引き起こした主要因が資産(借方)サイドに対する過度な楽観視(=不動産の値上がりを前提とした取引)だけではなく、調達(貸方)サイドに異常なインセンティブが働き、プレイヤーが複雑かつ細分化され過ぎていたために大半の人がそのリスクを把握できていなかったことにある点を踏まえると)、面白くはないかもしれないが理解は不可欠な内容だと思う。

  • Global Economic Environment

いわゆるマクロ経済学。内容は、GDPや実質インフレ・為替レートの計算から金融・財政政策が需要・供給や投資・貯蓄に及ぼす影響など、極めてオーソドックスかつ基礎的なものではあるが、授業を通して世界一の経済大国・アメリカの観点でより世界各国の事例を身近に感じながら学ぶことには一定の価値があると思う。

特に、アメリカがやはり中国からの資金や物の流入を強く意識している点や、日本の社会問題(高齢化社会や人材活用、労働生産性など)や金融政策(関連して、長期間のデフレやドル円の実質レートと名目レートとの乖離など)に関して一定の関心がある点、また他の国の事例からも広く学ぼうとしている点(例として、アルゼンチンのケースからいかにしてハイパーインフレを防ぐか)は印象的だった。

  • Business Analytics

統計学のプチ応用編といった授業で、具体的な事例といくつかのエクセルのツールを使いながら、様々な経営の場面でいかに統計学およびデータアナリティクスが活用されているかを学ぶことができる(例として、妊婦の方を対象にしたターゲットのマーケティングやZARAのサプライチェーンマネジメント、映画「マネーボール」でも話題になったアスレチックスの選手評価方法など)。僕含めCBS生全般に好評の授業だった。

  • Marketing

ロレアルやスターバックス、ケイトスペードなどの事例を用いてマーケティングの概念やツールを学ぶ授業。内容としては、CLV、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、4Pなど特に複雑であったり目新しいものはなく、Expemptした方が良かったなと思う授業(実際に3,4割のクラスメートは受けていなかった。。)。

A-termで受けた「Strategic Formulation」と同様、ソフトスキル系の科目では汎用性が聞かない面が大きいためか、実務家の話の方が何百倍も面白くかつ有用だと思ってしまい、いくらケースを用いているとは言え必修授業(基本的にAcademicオンリーの教授が教える授業)の限界を感じてしまう。

(以前、母校OBでサントリーのマーケティング担当の方の講演を聞く機会があったが、プレモルのパッケージやサントリーの商品名・CMでのキャッチフレーズに隠されたエピソードなど、マーケティングの現場のお話を臨場感を持って聞くことができ非常に面白かった。)

 

A-termが終わった時と同様、各授業で満足感はかなり異なるが、総じて将来の実務に何かしら活かしていけるなという実感。

1月後半からはSpring term。クラスメート(特にラーニングチームメンバー)との接点が少なくなるのは寂しい面もありますが、基本的に選択授業となり、より自分の興味に沿った授業を受けられるのは楽しみです。

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