MBA生のリクルーティング

昨日でSpring Term最初の1週間が終わり、クラスメートのリクルーティングも一段落した様なので今日はMBA生のリクルーティングについて書きたいと思います。

日本でもアメリカでも、MBA生採用を検討している大半の企業でMBA生向けのサマーインターン(1年目と2年目の間の夏休みで1週間~2か月半かけて実施)を行うため、まずはこのサマーインターンの内定を獲得するためにMBA生はリクルーティング活動を行います。そして、サマーインターンのパフォーマンスが良ければ本採用、もし本採用オファーをもらえなかった場合は2年目も就職活動を続けるといった感じです。

そして、日本とアメリカでMBA生のリクルーティングは大きく異なっており、まとめると下記の様になります。

1. 日本

・第1ステップ(入学する年の5~6月):大半の大手経営コンサルティング会社や大手投資銀行はMBA生向け壮行会を東京で開催するため、MBA合格者は興味のある企業の壮行会に参加して情報収集とリクルーティング担当者への事前アピールを行う

・第2ステップ(6~7月):大手投資銀行や一部国内大手コンサルティング会社では壮行会の前後から応募(履歴書や職務経歴書等の提出)・書類選考が開始され、その後1~2回の面接を経て、早い人は出国前の段階で内定をもらう

・第3ステップ(11月中旬):ボストンで開催されるボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ、基本的に金曜~日曜午前中の3日間)に大手経営コンサルティング会社、大手投資銀行、各種事業会社、また一部ファンドが参加するため、大手外資系コンサルティング会社等を除き事前の書類選考を通過した応募者はその際に面接を行い、同日夜のディナー(リクルーティング担当者との親睦を深め会社をより理解する、かつリクルーティング担当者からは候補者の最終チェックの場)を経て期間内に内定をもらう

・第4ステップ(12月~1月):大手外資系経営コンサルティング会社をはじめとして一部の会社は、各学校のリクルーティングルール(=1年生秋学期の間は学生をまずは学校・授業に集中させるため、基本的に応募は12月から開始し、オファーも1月の一定の日付以降にしか出してはいけないというもの)に沿っているため、12月に書類選考、1月に2~3回ニューヨークのミッドタウンもしくはSkypeで面接を行った後に内定をもらう
(そのため、ボスキャリはあくまでもMBA生の情報収集およびリクルーティング担当者への事前アピールの場となる)

2. アメリカ(学校によって若干異なるかもしれません)

・第1ステップ(9月後半から11月後半まで):キャンパスにて各社会社説明会(リクルーティング担当者は卒業生のケースが多い)が開催されるため、学生はここで基本的な情報収集を行う

・第2ステップ(10月~11月):会社説明会で挨拶をしたリクルーティング担当者とのコーヒーチャットを設定し、より掘り下げた情報収集と事前アピールを行う
(特に投資銀行では、行きたいと思う会社の説明会出席はマストで、かつ最低3~5人のリクルーティング担当者とのコーヒーチャットを設定し自分を売り込まないと面接にはまず呼んでもらえない、らしい。)

・第3ステップ(12月):応募(レジュメやカバーレター等の提出)
補足:コロンビアでは大半の企業が学校のシステムにサマーインターン募集情報を掲載し、学生は学校のシステムから様々な企業に応募できるため把握・管理が楽だったと思う

・第4ステップ(1月):キャンパス内外で2~3回の面接を経て内定をもらう

3. まとめ

・アメリカでは基本的にどの会社も学校のリクルーティングポリシーに沿っているため、日本より遅いスタート(むしろ世界的にみると日本国内のリクルーティングが異様に早い)

・日本/アメリカ問わず、投資銀行をはじめとする金融系が説明会・書類応募・面接とも早い段階に開始

・コンサルではケース面接練習、投資銀行では基本的な財務・バリュエーション・モデリング知識の習得、インベストメントマネジメントではStock Pitchの準備、など分野毎で面接準備内容が異なる

・PEやVCではコンサル・金融・事業会社の様に体系だったサマーインターン・リクルーティングを行っている会社が少数のため、個々人でコネクションを辿ってリクルーティングを行う必要あり

中でも、このリクルーティング期間を通して強く感じたのは、アメリカ国内でのMBA生のリクルーティング活動(競争)が日本国内での比ではないということ。。アメリカ人の投資銀行志望のクラスメートと11月後半に会った時には、既に50回ぐらいコーヒーチャットをしたと話していたことからも、アメリカ国内ではMBA生向けのオポチュニティが多いものの、競争も激しいことが伺えます。

ちなみに、2015年のUS上位7校の1学年合計人数が4,449人、アメリカ国内で少なくとも100校のMBAスクールがあり、その内90%私費で、80%がアメリカ国内の就職活動を行うとすると、4,449人×100/7×90%×80%で45,700人強と海外MBAに通う日本人私費学生(2017年は全体で265人程度)の少なくとも170倍強!仮に上位7校だけを対象とした場合でも、4,449人×90%×80%=3,200人強と日本国内の12倍以上。いかに熾烈な競争かが想像されます。
(なお、日本人のMBA留学生数に関しては、MBA/外資系転職支援会社のアクシアム社から「MBA留学生数の推移 – 2017年度」「日本からのMBA留学生数の推移」というデータが開示されているのでご参考までに。)

以上、これからMBAを目指す方、もしくはMBAに興味がある方のご参考になれば幸いです。

※アイキャッチ画像は、コロンビアビジネススクール本校舎Uris Hall1階の写真。リクルーティング期間は図書館を始め、様々な会議室で面接が行われていて、独特な緊張感でした。

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