Lady M | CAKE / HBSケーススタディ

先日のバレンタインですが(もう1か月も前!)、レディMにてケーキを買いました。

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お店:Lady M
住所:36 West 40th Street(ミッドタウン)
URLhttps://www.ladym.com/home
Zagat food rating (2017):4.6
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バレンタインということで、美味しいチョコレートを探していたのですが日本と違って中々良いお店が当初見つけられず。語学のクラスメイトの方にレディMを教えて頂き、無事にミルクレープとモンブランを購入。チョコレートケーキも売っていたのですが、ここはミルクレープの有名店だったので、ミルクレープと私の大好きなモンブランにしました。

レディMは2004年にアッパーイーストに店舗をオープンし、今ではマンハッタン内に6店舗も抱える人気ベーカリーらしいです。私が行ったのはブライアント・パーク店。他にもボストン・シカゴ・サンフランシスコ、国外はシンガポール・中国・台湾・香港など進出しています。

実はレディMはハーバード・ビジネス・スクールのケース・スタディで取り上げられているようで(たまたま知りました)、ちょっと面白かったので後段で詳述します♪

買いに行ったのは夜の7時過ぎくらいだったのですが、お店の前はかなりの行列。

アジア人が多かったのと、男性も結構並んでいるのが印象的でした。ちなみにアメリカのバレンタインは男性から女性に花束やケーキを送ったり、ディナーデートするのが一般のようです。だから男性も多かったのですね。街中では薔薇売りの人が何人もいました。

店内はホワイトを基調としたスタイリッシュな内装。奥行がありますがやや狭いです。カフェスペースも少しだけありましたが、基本はテイクアウト。

モンブランが美味しそう💛アメリカに来てからモンブランはほぼ見かけないので(ル・ベルナルダンで久々に食べた時は感動しました)、貴重な存在となりそうです。

買ったミルクレープとモンブランです。前述しましたが、ここはミルクレープが看板ケーキ。これまでの人生で食べる機会はあまり無かったのですが、甘すぎず繊細な味わいでとっても美味しかったです。夫も満足そうでした^^モンブランもアメリカであることを考慮すると十分に美味しい。

ミルクレープってフランス語ですが、実は日本発祥のケーキらしいです。アメリカに来てから日本の食に対するこだわり(高級店だけではなく大衆店も)やクオリティの高さを実感することが本当に多く、こうした些細な豆知識も誇らしく感じてしまいます。

書いていながら食べたくなってきました・・。

レディMのルーツ

レディMは、実は日本にゆかりがあるようです。

元々、レディMはKazuko Emy Wadaという日本人の女性が1980年代に東京でオープンしたお店がルーツ。(レディMのエムはEmyを表している)

そのお店の開業をKen Romaniszyn(ニューヨークのレディMの創業者・社長)の一家が助けたという背景があります。Romaniszynはネイティブ・ハワイアンですが祖母が日本人で、彼の祖母がKazuko Emy WadaをRomaniszynに紹介したようです。Romaniszyn自身も夏は東京の祖母の元で過ごしていたようで、日本との関わりが結構ありそうですね。

Romaniszynはハーバード・ビジネス・スクール出身で、ビジネススクールを卒業後、このレディMを引き継ぎました。(HBS出身だからケースになることをOKしたのかしら)

ブライアントパークのレディMから数軒離れたところに北海道の銘菓、ロイズがあるのですが、Romaniszynはロイズのアメリカ事業のパートナーもやっているようです。

(バレンタイン仕様のロイズ、ブライアントパーク店)

レディMのミルクレープは甘すぎず、繊細な味わいと上述しましたが、まさにそこがレディMのルーツが日本にあることに起因しています。

社長のRomaniszynは、HBSのケースの中で「アメリカ人が好んできた伝統的な”砂糖漬け”のスイーツではなく、日本のスイーツのような繊細で過度に甘くはない、見栄えも美しいケーキを志向した」と述べています。

・・・ですよね!

と、非常に同意しました。

アメリカで暮らし始めてから直面した大きなカルチャー・ショックの1つに、生粋のニューヨーカーから「Japanese sweets are not sweet!(日本のスイーツは甘くない)」とギャグのように言われた事件があったのですが、Romaniszynのインタビューを読んで、日本ブランドの菓子のアメリカ展開の可能性を少しだけ感じました。実際、レディMは色々な雑誌にも取り上げられた人気店ですし、甘さ控え目で繊細な味へのニーズはアメリカにもある・・・はず!

(そもそも、日本にいた頃は日本のお菓子やケーキが甘くないなんて思ったこと無かったので、味覚の違いって興味深いです。コペルニクス的転回。)

HBSケーススタディ

かつてないほどに長文になりつつありますが、最後にHBSのケースについて少しだけ。

バリュエーション系のケースで面白そうだったので、つい買ってしまいました。オンラインですぐ買えます→HBR

内容は大きく2つ。

①ワールドトレードセンターの新店舗の投資意思決定
②中国ファンドからの出資受入に関する資金調達意思決定

ケースは2013年末の財務情報を元に、上記の経営課題を考察するものですが①のワールドトレードセンターの新店舗については実はもうオープンしています^^

2016年8月にオープンなので、2015年6月のケース発刊時には既に決まっていたのかどうなのか微妙なところですね・・・。

当時のざっくりした財務情報(単位:1000ドル、財務項目や数字は若干調整しています)ですが、思ったより売上大きくて驚きました。

2012年度は期中に2店舗目がオープンしたので半年分の売上が加算されていますが、それで4億円以上の売上があの小さなベーカリーで発生しているとは!当期純利益率も2013年度は10%超えてますし、外食業としては高い。

単純按分すると1店舗当たり約2,500千ドルの売上。

営業日数を360日とすると1日あたり約7千ドル。

ケーキは1切れ約8ドルなので1人で2切れ買うとすれば16ドル、仕事帰りのサラリーマンがホール(50~85ドル)で買ったりもするらしいので、平均単価はもう少し挙げて21ドルとすると、1日あたり330人近くの人が買いに来ていることになります。店舗が小さいのでにわかに信じがたいですね…。

店舗販売以外にもオンラインやケータリング等の売上があるのかもしれませんが、正直驚きました。

ワールドトレードセンターの新店舗も、既存店と同じくらいのキャパシティなので、賃料が高い点を考慮し、それ以外は既存店と同様の売上・コスト構造で計算すると5年間のキャッシュフローで初期投資分が回収出来るという優良案件の結果になりました。5年間で区切ったIRRは18.5%。ほんとかな、、、、、

※初期投資600千ドルやメンテナンス投資、賃料310千ドル/年、WACC 12%などケースで前提条件が与えられています

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最近は夫と、和食系でマンハッタンの屋台事業をやったら面白そうだねと話すことが多いのですが(今のところ見かけないので)、甘くないスイーツも結構面白そう。

 

 

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