Spring Trip to 台湾・香港・上海 ~③香港

台湾での友人との再会と観光を終え、いよいよ香港に到着。空港から香港市内に向かう高速列車から7,8年ぶりの香港の街並みを眺め、高層マンション・ビルが大きく増えていること、また現在建設中の建物が多く存在することに驚きました。
あと、この日は気候がリゾート地の様に快適。

香港初日:2018年3月11日(日)

ホテルのチェックインを早々に済ませ、午後はHKUST(香港科技大学)に通うMBA同級生と大学近くで再会。彼にキャンパスを案内してもらったのですが、HKUSTは理工系中心の大学ということで、コロンビアのトラディショナルな雰囲気と異なり新鮮です。

学校の様子を聞くと、1学年120名程度で日本人が10人近くおり、その他は中国人が多いが、欧米から来ている人も一定数いるとのこと。
授業はアメリカ全体と比較するとパティシペーション(授業での貢献度)の成績上のウェイトが低いものの、科目によってはプレゼンの機会が多くあり英語が流暢ではない日本人にとってはハードになることも。また、最近はテック系の授業の強化に特に力を入れているとのこと。
就活は、コンサル・投資銀行などを志望する人が多い点はアメリカと大差なく、立地は当然ながら香港を志望している人が多いものの、元々ポジションがあまり多くない上にアジア全体で投資銀行市場が若干低調(と言われている)ということも影響してか、就活は苦戦している同級生が多いそうです。

HKUSTの後は、港町の西貢(Sai Kung)を散策。ここにはミシュランで1つ星を取った海鮮料理屋もあるとのことで、次回訪れた時にはぜひ行ってみたいと思います。

日曜午後の貴重な時間を割いてくれた親切な同級生と別れ、夜はこれからスタディートリップを共にするメンバー30人とウェルカムディナー。僕以外のメンバー(オーガナイザーに中国人が3人いるものの、7割はアメリカ人)の多くが卒業後も不動産業界志望ということで、CBSの不動産クラブ(REA)での活動や就活を通して顔見知りと言うこともあり、輪に入っていけるか若干不安に。。ただ、ウェルカムディナー後の20人程度の飲みで、タケノコニョッキを紹介してこれがなぜかプチブームになり、半分以上の人にすぐ顔を覚えてもらえることに。日本人の飲み文化とタケノコニョッキに感謝。。

飲みの後は、こちらもミシュランの1つ星を取ったTSUTAがたまたまホテルの近くにあったのでラーメンと香港の夜景観賞で締め、月曜からの怒涛の企業訪問に備えることに。


↑ 香港では並ばずに入れました。

香港2,3日目:2018年3月12日(月)、13日(火)

今日から本格的にスタディートリップがスタート。ここからは訪問企業について時系列で書きたいと思います。

  1. CBRE Global Investors

    言わずと知れた超大手不動産企業。日本にも拠点があり、個人的には不動産調査会社のイメージが強かったですがグローバルベースではUSD 150 billion (約5兆円)ものAUMを有する投資企業。Asia PacificのResearch & StrategyのトップがCBS出身ということで、彼が香港における不動産マーケットの概要をプレゼンしてくれたのですが、特に
    ・香港の市場相場はニューヨークの1.3~1.5倍
    ・香港では土地が限られていることから、全体的に慢性的な供給不足にあり、特に今後Alibabaを筆頭とするe Commerceがさらに進展することで、Last 1 mileをカバーするための倉庫需要が高まると想定される
    ・香港では、全体的に収益率(Cap rate等)ではなく利益の絶対額で投資判断する傾向にあり、香港に赴任してからこの点に慣れるのに最初苦労した
    といった点が特に印象的でした。
    ※後で中国でも不動産投資会社を経営していた中国系アメリカ人のメンバーと話している中で、中国における(おそらくそれなりの立地だと思いますが)不動産投資のCap rateが1-2%の水準であることを知り、アメリカや日本での感覚と全く異なることに驚くと同時に、これが行き過ぎるとバブルになるのではないかという懸念がよぎります。。

  2. Hong Kong Land

    香港・中国本土を中心に一等地のオフィスビルや商業施設(特にLuxury Retail)に投資を行う大手上場不動産企業。特に潤沢な手元資金・純資産を元に、低レバレッジで投資を行えることが他社に無い強みと言っていましたが、加えて個人的には一等地の土地を押さえられる政府との関係性含めたノウハウも同程度に重要なのではないかなと思います。

  3. Hang Lung Properties

    ChairmanであるRonnie Chan自らプレゼンを行ってくれたのですが、一般的なプレゼンと異なり、僕達にもし40年前に戻って不動産投資をするならどの国が最適だと思う?という問いから始まり、学生が挙げる国それぞれに対してポジティブな要素とネガティブな要素を挙げるというカジュアルなスタイル。その中でも特に
    ・発展途上国に対する投資の方が先進国に対する投資より遥かに低リスク
    ・投資先として、政府が強い国は好まない
    ・香港は人口密度や安定的な市場動向から市場として最適な環境
    といった一般的な認識と異なる独自の視点(故に学生からの評価は賛否両論でしたが)が印象的でした。

  4. Dorsett Hospitality International

    香港や中国本土、マレーシア、シンガポール、ロンドンなど世界的にホテル事業を手掛ける会社。近年は、グループとしてイギリス・マンチェスターでの事業や世界各地での駐車場事業にも力を入れている点が特に印象的。

  5. MTR Corporation

    香港や中国本土で地下鉄をはじめとする交通機関の運行を手掛けることで知られる大企業。地下鉄の会社というイメージが強いですが、実際には日本の鉄道会社と同様に沿線周辺の不動産事業を積極的に行っており、利益の7,8割を不動産事業が生み出しています。
    香港でも日本と同様に鉄道運賃に政府の統制が働くため、なかなか超高収益率事業とはなりにくいですが、安定したキャッシュフローを生み出すことができるのは不動産事業単体の会社に無い強みだと思われます。プレゼンでは、同社の鉄道事業と不動産事業の融合を「TOD (Transit Oriented Development)」戦略と紹介しており、学生からは目から鱗といった反応だったのが日本の鉄道会社を見ていた立場からすると意外でしたが、アメリカでは鉄道会社が不動産事業を手掛けるという観点が(国営企業だからか、規制上の理由からか不確かですが)無いのかもしれません。

  6. Pamfleet

    香港、シンガポール、上海に拠点を置く不動産投資アドバイザー会社。プレゼン自体は素晴らしく、学生の評価も高かったのですが、ランチミーティングだったせいかなぜかあまり記憶に残っておらず内容は割愛。

  7. Phoenix Property Investors

    香港に拠点を置く大手不動産投資会社。他の会社と異なり、現在開発中および開発が終わった商業ビルを案内してもらうツアーで、ほぼ居抜き状態の物件の内部を見れたり、開発が完了したばかりの商業ビルのデザイン・導線上のポイントを聞けたりできたのは貴重な経験でした。

  8. Gaw Capital

    アジアではGICに次ぐ規模を有するとも言われる超大手不動産投資PEファンド。リスクを取ってAdd Valueをする投資をポリシーとし、香港・中国本土だけでなく、アメリカや日本でも投資実績があります。プレゼンでは、個々の投資案件の話も聞くことができ非常に有意義な機会でした。

と、2日間終わった段階で既に満腹感がありましたが、MBA留学中でないと直に話を聞けない貴重な機会に感謝です。

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