Spring Trip to 台湾・香港・上海 ~④上海

いよいよ上海に到着。浦東国際空港から上海市内に向かう道のりで見た景色は、6,7年前に出張で来た時からさらに発展した街並みで、特に市内は香港さながらの高層ビル・マンションがばんばん立っていました。ただ上海は香港と異なり平地が続くため、まだまだ開発余力はありそうな感じです。

上海初日、2日目:2018年3月15日(木)、16日(金)

  1. Cushman & Wakefield

    1917年に設立された非上場としては世界最大の不動産サービス会社。上海の不動産概況に関する説明で、特に印象的だったのは
    ・深センにおけるテンセントなど、テック企業が不動産市場に与える影響の大きさ(2018-2022年のオフィスビル供給戸数は、深センが上海・北京を押さえてトップと予想されているとのこと)
    ・70%以上と基本的にアグレッシブなレバレッジで開発が進んでいること
    ・土地は基本的にオークションプロセスを経るため、どうしても仕入値が高くなりやすい
    ・中国の不動産は99%近くがローカル企業・個人によって買われているとのこと。やはり海外の投資家からは(上記の土地オークションプロセスでの見えない側面もあったりで)なかなか手を出しにくい、出そうと思っても買いにくい市場と思われます
    ・一方、中国の投資家はアメリカ、香港、イギリス、オーストラリアなどの不動産を積極的に買っているとのこと。日本でも中国人投資家の豪快な買いっぷりは話題になりますが、中国人の投資総額からするとほんの1-2%程度の割合でしかないらしく、中国マネーの巨大さが窺えます
    といった辺りです。

  2. Shanghai Urban Planning Exhibition Center

    こちらは企業訪問ではなく、中国・上海の人民広場にある博物館の見学。地上6階、地下2階の建物で上海の都市計画と発展に関する展示が行われており、目玉である上海市街地全体をカバーした大型模型(既存の建物と将来的に計画中の建物もあるとのこと、※Wikipediaより)は圧巻でした。

  3. ValueRetail

    ヨーロッパでLuxury Outlet “Village”を展開する会社。2014年に蘇州で中国第1号、2016年に第2号店を上海ディズニーリゾート近くでオープンし、今日は第2号店を見学に。Luxury Outletというコンセプト自体初めて聞きましたが、アメリカでは僕達も一度行ったことがあるWoodbury Common(ニュージャージー近郊でマンハッタンからだとバスで1時間10分程度)も一応この分類に入るそうです。

    着いて辺りを見てみましたが、人通りは疎ら。。この日は天気が悪かった上に、聞くところによるとこのVillageは一切広告宣伝をしていないらしく、上海ディズニーリゾートに来る旅行者を中心に口コミでの集客を狙っているとのこと。

    アウトレットはアウトオブシーズン商品やアウトレット限定商品を手頃な価格で買う場所と言う感覚が強い僕からすると、値段で勝負せず(もちろんセールをやっているお店や商品もありますが)、上海ディズニーリゾート近くとは言え市内から離れているこのVillageがeCommerce旺盛のこの時代に流行るのか疑問が残る所で、周りのメンバーも同様の感想を持っていた様です。頼みの綱は上海ディズニーの集客力でしょうか。これから2,3年後にどの様な姿になっているか楽しみです。

  4. Swire Properties/Taikoo Hui

    香港・中国本土で商業施設を中心とする不動産の開発・所有・運営を行う会社。今回は、HKRI Taikoo Huiの複合型商業施設を見学させてもらうことに。

    この商業施設は、世界最大のスタバ、かつスタバの新形態「Starbucks Reserve Roastery(スターバックス リザーブ ロースタリー)」のシアトルに続く世界第2店舗目の出店地でもあり、スタバにおける中国市場の重要性が感じられます。

    この商業施設は、ショッピングモール、2棟のオフィス、3棟のホテル/サービスアパートメントで構成されており、今回の見学は主にオフィスビルでした。開業が2016年と比較的最近ということもあり、今後徐々にテナントも増えていくそうで、来年・再来年とさらに活気を増した所も見てみたいものです。

  5. Vanke

    中国の大手住宅デベロッパー。60以上の中国の主要都市で事業展開しており、特に中国東部沿岸部で強い基盤を有している。プレゼン時代は事業展開や中国マーケットに関する一般的な内容でしたが、同社が地域的な拡大だけでなく、従来の住宅開発・販売から、賃貸、サービス、シニアケアなど事業領域に関してもより拡大していけるか楽しみな会社です。

  6. Gensler

    世界各地に40拠点、5,000人以上のプロフェッショナルを有する建築・設計・デザイン・コンサルティング会社。アジアのプロジェクトではトップシェアを誇り、ユニクロの中国店舗などもデザインしたそうです。社内のプロジェクト情報を(匿名性を保った上で)最大限共有し、世界レベルでデザイナーの人材交流を積極的に行っている点は1つの特徴かと話を聞いていて感じました。

  7. Fosun

    星野リゾート・トマムを買収したことでも話題になった中国の投資会社。プレゼン自体は一般的なものであったが、
    ・中国は都心化(Urbanizaiton)が全体で56%と、80%台のアメリカ・ヨーロッパ、90%超の日本と比較してまだまだ進んでおらず、ここに都心部での投資機会がある
    ・上海での不動産購入時の頭金は平均7%程度と特に低い(不動産バブルや過大融資の可能性があるかもしれませんが、需要を考えると日本よりは全然大丈夫なのでしょうか。。)

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