Spring term終了と授業の振り返り

Spring Termが終了して既に2ヶ月近く経ちますが、、授業の振り返りをしたいと思います。

  • Value Investing

「Value Investing ~Bruce Greenwald 最後の授業」でも書きましたが、CBSで僕が最も取りたかった授業の1つ。最近ウォーレン・バフェット含む様々な投資に関する本を読みながら、(Value Investingにおけるアカデミックの権威なので当然ですが)グリーンワルドが話していた内容と繋がることが多く、改めて取っておいて良かったなと思える授業。

唯一、異なるのはグリーンワルドがアカデミック寄りということもあり、市場、事業・戦略の競争優位性、経営陣の質にフォーカスを当てることが多く、価格(じゃあその事業にいくらで投資するのか)に関してはあまり取り上げておらず、ここは教授ではなく投資家となるべき生徒が補完する部分かと思います。

  • Applied Security Analysis

Value Investingと並んで最も興味を持っていた授業の1つ。「投資家、ビル・アックマン来校(Applied Security Analysis)」でも書いたビル・アックマンのプレゼンテーションでスタートし、数回の講義を経て、残りはひたすら3人1組のチームでプレゼンに向けた準備を進め、30~40チームの中から予選で選ばれた5チームが決勝(”Purshing Square Contest”)でビル・アックマン含む10名近くの投資家・投資アナリストに対して、プレゼンをし最終的な勝者を決めるという構成です(なお、最終プレゼンはミッドタウンど真ん中の会場貸し切り、費用はビル・アックマン持ちだそうです)。

アックマン始めとする有力な投資家にプレゼンをでき、かつ上位3チームには賞金(総額500万円以上!!ある程度は学校指定の寄附にまわさないといけないみたいですが笑)が贈呈されるとあって、みんな本気です。

僕は中国人2人とチームを組み、よりエッジを活かすということでニューヨーク市場に上場している中国大手IT企業のショート(今回のプレゼンは、最近の株式市場の高騰を受けてか、お題がショート=空売り限定)のプレゼンをしました。

残念ながら僕達のチームは決勝まで進めませんでしたが、プレゼンへの準備および本選での素晴らしい5組のプレゼンを通して色々学ぶことができたのは大きな収穫でした。特に感じたのは、
・中国の企業は特に英語での公開情報からKPIを入手しにくく、定性的な分析を定量面に落としづらい(もしかしたら昔外国人投資家が日本市場・企業分析の際に感じていた感覚に近いのかもしれません)
・仮に情報が取れたとしても、住んだことがないマーケットで勝負するのは(現地の事情をよく知っているメンバーから諸々教えてもらったとしても)色んな部分での肌感覚が欠ける分、やはり相当のハンデを背負うことになるということ
・ショート(空売り)は貸株料が発生するため時間軸が短くなりやすく、カタリスト/イベントの重要性が圧倒的に増す
・マーケット、特にアメリカでは優秀なアナリスト・投資家が凌ぎを削っており、その中で自分がどの様に勝つかは常に意識しなくてはいけない
・(当然といえば当然ですが)MBA生と実務家の見方は大きく異なるということ、本選プレゼンにて学生内での評価と最終的な順位が結構外れていたということで、実務家は単純な調査量や細かなロジックではない部分をより重視している?
といった点で、今後インターンなど実務を積む上でそれぞれさらに理解を深めていきたいと思います。

  • Managerial Negotiations

(実務での交渉には遠く及ばないですが)少しでもアメリカに住む人がどの様な交渉を行うかを学び、また英語にハンデがあっても交渉していく術を学ぶために取った授業。2コマ連続(90分×2)の授業で最初の30~45分は主に講義、残りはケースを用いた模擬交渉(1対1、もしくは複数対複数)で進められます。

“No deal is not a bad deal.”や”Pursue the counterparty’s interest and share the biggest pie of our bargaining zone.”といった基本的な交渉作法を座学・ケースを通して学べたのみではなく、 模擬交渉で同級生の様々な交渉方法(徹底的に自分の勝ちにこだわる人もいれば、なるべく友好的に終わらせようとする人、また自分がなるべく多く話してペースを掴みたいという人と、重要だと思う要点のみを突いて同意に持ち込もうとする人)を感じれたのは良かったかなと思います。

総じて、同級生は交渉の場で(必要なことも不必要なことも)多く話し説明し合うことで相手との信頼関係を築き、交渉を成功に結び付けようとしている点は僕のイメージしていた交渉とは異なっており、僕も見習うべき点かと思います。

  • Mergers & Acquisitions

前職でM&Aの仕事はしていたものの、アメリカの実務に関しては全く知らなかっので取った授業。教授が弁護士から転身しての投資銀行ウーマン(First Boston, JP Morgan, BAMLにて勤務)ということもあり、ディールフローやバリュエーションなど一般的な論点から規制・法務面でもかなり突っ込んだ内容も議論し、勉強になった授業。ただ、講義が彼女の(M&Aに関連した?)世間話に脱線することが多く、お世辞にも系統だった授業とは言えませんが。。

また、2週間に1回招かれるゲストスピーカー(主にCBS卒業生。KKRの資金調達部門担当メンバーや他のPE、またアドバイザリーファームのシニアメンバーなど)の講義はバラエティに富んでいて、学びも多くニューヨークの立地、およびCBSの金融分野における層の厚さを改めて実感する授業です。

  • Napoleon’s Glance

人によって評価が分かれる、かつソフトスキル系の授業ということで、受ける前は若干受講するか悩んでいましたが、”How to get a creative idea”や”What is strategic intuition and how to nurture it”というテーマを様々な過去の事例(マイクロソフトのビル・ゲイツ、IBMのルイス・ガースナー、また歴史上に偉人ナポレオンやピカソなど)を通して学ぶことで他の授業にはない気づき・発見があり新鮮でした。おそらくこの授業から学ぶものは個々人で全く異なると思いますが、僕の場合は”Open mind”, “Learn best practices” and “Goal oriented action”です。

他にも、Security AnalysisやOperations Management(今学期唯一の必修授業)といった授業も受講していましたがここでは割愛。。

参考になれば幸いです。
※アイキャッチ画像は、”Purshing Square Contest”でのビル・アックマンの挨拶風景。冒頭「なぜ私は未来のライバルを増やす活動に進んで寄附をしているのでしょうか」とジョークを飛ばしていましたが、今後もぜひ続いてほしいなと思います。

 

 

 

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