Money: Master the Game (邦題: 世界の投資家は何を考えているのか&何を見ているのか)

邦題のタイトルを見た時に何か胡散臭そうだな、読もうかなどうしようかなと思いながらも結局読んでみて大正解だった本。

本書(原書は1冊だが翻訳本では2冊に分冊)は、世界ナンバーワン・カリスマコーチと言われるアンソニー・ロビンズが、リーマンショックで大事な資産を失う多くの人を目の当たりにして、どうしたら投資に詳しくない一般的な人が金融機関の餌食にならずに資産を形成(自分のお金を確実に守り、かつ増やす)し、経済的自由を手に入れられるか=マネーゲームに勝てるかをテーマに書いた本。読み終わってみて、投資にあまり興味が無いという人でもこの2冊さえ読んでおけばとさえ思える位お勧めです。

なお、アンソニー・ロビンズはこれまでビル・クリントン前大統領、 世界的投資家のジョージ・ソロス、俳優のアンソニー・ホプキンス、 テニス・プレーヤーのアンドレ・アガシやセレーナ・ウィリアムズなど数々のリーダーや著名人へのコーチ実績を有するそうです。恥ずかしながらこの本を読むまで知りませんでした。。

この本の価値は、アンソニー・ロビンズによる投資業界における「9つの神話」への切り込みに留まらず、下記に挙げる数々の投資のカリスマ=本書ではMoney Master へのインタビュー(おそらくこれはアンソニー・ロビンズだから設けられた機会)から得られる投資家としての心構えや知見にあると思います。

【アンソニー・ロビンズがインタビューを行った投資家の一例】
– レイ・ダリオ:世界最大資産規模(1,600億ドル=約17.6兆円!)のヘッジファンド・ブリッジウォーター・アソシエイツの創始者
– デイビッド・スウェンセン:イェール大学財団最高財務責任者(資産を27年間で10億ドルから237億ドル=年利回り13.9%で成長させ、機関投資界のウォーレン・バフェットと呼ばれる人物)
– ジョン・C・ボーグル:世界最大級のインデックスファンド、バンガード・グループの創始者
– カール・アイカーン:著名アクティビスト投資家
– ウォーレン・バフェット など

特に、レイ・ダリオの「全天候型」ポートフォリオ(過去30年間で手数料控除後の年利回りで9.72%、実質的な損失を出したのが3年、最大損失は2008年の△3.93%、なお同年のS&P500は△37%)のコンセプトを知ることができるだけでも本書の価値があると個人的には考えます。

本書を通して、改めて
① ウォーレン・バフェットの格言「ルールその1: 絶対に損をするな。ルールその2:絶対にルール1を忘れるな」が多くの著名投資家に染み付いていること
② 上記の格言を実行する上で、「どの銘柄に、いつ」投資するか以上にそもそも「どのアセットクラス(国内株式・海外株式・国内債券・海外債券・不動産・商品・金・現金など)に、どの割合の資産を」投資するかの方が重要であること(投資の成否は「アセットアロケーション」で8割以上、人や研究結果によっては100%近く決まると言われる実例を本書から垣間見えます)
③ 何よりも投資をして増やした資産で、自分、家族、そして周りの人生をどう豊かにするかが重要であること
を学ぶことができ、自分の中での投資に関する見方を深められた点と拡げられた点があって良かったなと思います。

そして、翻訳本は良くも悪くもタイトルに惑わされてはいけない、本で食わず嫌いしてはいけないという点も学べて良かったかなと思います(笑)

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