大先輩との食事会@ロンドン

今日は、ロンドンでヘルスケアに特化したPrivate Equity Fund(PE)を10年以上経営しているCBSの大先輩の招待を頂き、CBSからLBSに交換留学で来ているメンバー4人と昼食会に出かけてきました。

この大先輩はフランス出身でパリのメディカルスクールを卒業後、マネジメントに関しては未熟な医療現場を離れてビジネスを学びたいという思いでCBSに留学したという珍しい経歴。卒業後は、1年間コンサルタントとして働いた後、グローバルに展開するPEで13年弱経験を積み、当時ヨーロッパでは少なかったヘルスケアに特化したPEを立ち上げたいということで自らファンドを設立、その後着実に実績を重ねて今はファンド規模も1,100億円超にまで成長しています。

今日はロンドンのど真ん中にあるオフィスを案内頂いた後、近くのシーフードレストランにて様々な話を聞かせて頂きました。メディカルスクールでの生活や、MBA留学中の思い出(彼のラーニングチームメイトに日本人がいたそうで、彼はcrazy party boyだったとのこと笑)、コンサルタント時代の苦い経験とふとしたきっかけでのPEへの転身、そしてその後のディールの数々。

話の中でも特に「僕はいつでもEntrepreneurなんだ」という言葉や「PEで成功するには一番はいかに優秀な人材を確保し、育てるか。他のPEだと4,5人のパートナー以下のメンバーが奴隷みたいだが僕のファンドはそうしたくなかった」といったエピソードが印象的でした。

パートナーとなった今でも多忙な中(投資先がヨーロッパ各地にあるため常に飛び回っているそうで、この日も夕方にはパリに向けて出発するとのことでした)、後輩のために時間を割いてくれるその姿勢は尊敬の一言です。僕は今は受験生相談ぐらいしかできていないですが、卒業後はビジネスでの実績も含めてCBSに恩返しできたらと思います。

 

余談ですが、カルロス・ゴーンと日産における一連の騒動が起こってから、感想や意見を求められる場面が何回かあり今日も聞かれました。ある程度聞かれるなと予想はしていたものの、(言い訳ですが大先輩がフランス出身だったこともあり、、)スムーズに説明できなかった自分に反省。。

僕は今回の問題に関して、単純にガバナンスの問題と捉えることに違和感があるのですが(国籍をまたいだ親子上場、かつ経営危機からの回復の立役者となったカルロス・ゴーンが日産と親会社・ルノーのCEOも務めている様ないわば「特殊なオーナー上場企業になっている」時点でそもそもガバナンスを期待できる様なシステムになっていないため)、海外の目からすると今回の件までも「日本はガバナンスが弱いから」という一言で片付けられそうになるのが歯がゆいです。

まずはなぜこういう経緯になったかに関して誠実に説明を果たした上で、日本全体としてこういう事態が二度と起こらないためにどの様なシステムを構築するか(今のところ内部通報制度の更なる充実や最低1名経営経験のある社外取締役の任命ぐらいしか思いつきませんが)、そして日本全体としてインターナショナルなレベルでのリーダーシップ・マネジメント・コミュニケーション、そしてアカウンタビリティが果たせる人材をどう育て増やしていくかを議論することの方が大切かと改めて思います(僕自身がまだどれも十分にできていない上で書くのが一番歯がゆいのですが)。個人的には、国として高校・大学生を準強制的に1年以上海外の大学に派遣し、海外の人材と競わせる様な政策があっても良いかと思っています。

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