最終学期の授業の振り返り

先週最終学期の授業が終わったので、簡単に振り返ろうと思います。

最終学期はBlockweekで受講したFrom Feast to Famine & Back Again Investing in the Credit Markets through Cyclesに加えて、Applied Value Investing, Distressed Value Investing, Equity and Derivatives, Activist Investing, Introduction to Programming Using Pythonという5つの授業を取ってました。

①Applied Value Investing
CBSで受けた授業の中で一番充実していた授業。現役のヘッジファンドポートフォリオマネージャー2人が教授である上に、受講できる学生が10人と少人数だったので毎週膝詰めで様々な企業や事業に関してのディスカッションをできたのが他の授業との大きな違いでした。

授業の内容も、一般的なレクチャーからシュミレーション形式のケーススタディー、様々なゲストスピーカー(南アフリカのウォーレン・バフェットと呼ばれているヘッジファンドポートフォリオマネージャーも話に来てくれました)とのディスカッション、ストックピッチや各自3ヶ月弱調査した会社の最終プレゼンテーションなど、バランスが良かったです。バリュー投資(ここでは割安株投資という定義)とグロース投資(成長株投資)に対する見方や、投資するのに危ない会社の見抜き方など日頃悩んでいたり考えていたテーマに関する話が聞けたのも、今後のキャリアに何かしら活かせるなと思います。

この授業は楽しいだけでなく、毎週10-20時間を要する課題もあって比較的ハードだったので、最後のプレゼンが終わった後のメンバーの結束も特に強かったです。卒業後はそれぞれヘッジファンド、資産運用会社、投資銀行、デットサイドのアドバイザリー、PE、VCなど異なる立場で投資に関わることになりますが、また5年、10年、20年後に会って話をしたい、そんな同志と出会えたのもこの授業の大きな財産になりました。

②Distressed Value Investing
Applied Value InvestingがEquity(株式)に特化した授業であるのに対して、こちらはDebt(債権、債券)に特化した授業。毎週の課題がApplied Value Investingと同様比較的ハードなうえに、これまでの授業やインターンがほとんどEquityサイドだったため(だからこそ投資に対する見方を拡げるために取ったのですが)理解が追い付かない部分もあり大変でしたが、株主ではなく債権者の投資に対する見方や動き方の感覚を掴むうえで参考になった授業。

日本でも、アイフルが初のハイイールド(HY)公募債を起債する報道が出てきました(仮に報道が正とすると利率が1%程度と、平均6.0%の米国HY債に比べると投資家に対する魅力がどこまであるか不確かですが、、)が、クラウドファンディングなどと共に今後日本の金融市場が多様化するために、銀行ローンや投資適格債(IG:Investment Grade Bond)だけに縛られない資金調達が拡がっていけばいいなと個人的に期待しています。

③Activist Investing
今学期から新しく設定されたアクティビストファンドにフォーカスした授業。系統だった授業とPershing SquareやElliott managementなど大手米系アクティビストファンドやGoldman Sachsなどアクティビストをサポートもしくはアクティビストファンドに対峙する投資銀行からのゲストスピーカーとのディスカッションが主な内容。

計4回の短い授業であったため、現状ではアクティビストファンドの断面・表面的な所しか見えていないですが、一口にアクティビストファンドと言っても様々なプレーヤーがいること、その中でも一部しっかりした信念の下に投資を行っているプレーヤーの話を聞けたことが一番の収穫でした。

④Equity and Derivatives
株式選別(ストックピック)・分析をするアナリストからポートフォリオ全体を管理するポートフォリオマネージャーに仮に将来運よくなれた時に、デリバティブやオプションについて全く知らないではすまされないだろうなということで受けた授業。

個人的にはデリバティブやオプションの本論に入る前の導入部分で取り上げられた各種インデックス(代表的なものではS&P500やダウ平均株価、日本ではTopixなど)の成り立ちや仕組みの方が参考になり、デリバティブやオプションの仕組みや活用方法についてはふーんそんなものかなという感じでしたが、将来必要になった時にしっかり活用できる様準備はしておきたいです。

(余談ですが、個人的には授業の中でゲストスピーカーが話していた、昔デリバティブやオプションに対して無知な日本の金融機関相手にボロ儲けした外資系金融機関トレーダーについてのエピソードが悔しさと共に一番記憶に残っています。日本国内だけの世界で見ていると中々気づきにくいですが、グローバル化やIT化が進んだ世界は経済戦争の側面もあり、金融はモノづくりではないから価値が無いとか中国・韓国含むアジア企業・諸国は日本より劣っているといった偏見は捨てて、海外から真摯に学びどう彼らと対等に伍していくか個人や企業、国レベルでもっと意識する必要があるのではと改めて思った一幕でした。)

⑤Introduction to Programming Using Python
文字通りプログラミング言語・Pythonの基礎を学ぶ授業。実生活で使えるコードの実装には到底及ばなかったですが、人生で初めてコードを書いてみて、プログラミングの可能性を遅いながらも体感できたのが収穫です。

※アイキャッチ画像はドラマ・SUITSにも出てくるニューヨーク群裁判所。Distressed Value Investingで破産裁判の聴講が課題として出たため、Westinghouseの債権者ヒアリングを聞きに行きましたが結局延期になり残念な結果に。。

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