卒業!&これから海外MBAを目指す方へ

昨日の卒業式で、長い様で短かった僕の2年間(実質1年9か月)のMBA生活が終わりました。

僕のMBA生活は率直に言うと、悔しい、歯がゆいというのが一番でした。純ドメ・インターナショナル経験(旅行除く)無しという立場で来て、英語に大きなディスアドバンテージを抱えアメリカの文化も分からないまま、アメリカ人主体のコミュニテイーに簡単に入っていけない歯がゆさ、中国やインドのインターナショナル同級生と比べても大きく劣っている自分の英語含むコミュニケーション力に対する悔しさは結局卒業まで拭いきれなかったというのが本音です。なので決して偉そうなことは言えませんが、これから海外MBAに行く特に純ドメの方は、渡米前に英語(特にリスニングとスピーキング)をMBA受験のレベルから2段階も3段階も上げられることを強くお勧めします。

一方で、MBAに来て本当に良かった、楽しかったと思えることも沢山ありました。自分の世界に対する見方が大きく拡がりましたし、好きな投資の世界について目一杯学べたこと、決して大多数ではありませんが心から尊敬でき、これからも(特に金融や投資の世界で)共に切磋琢磨していきたいと思える同級生との関係を築けたことは一生の財産になると思います。そして何よりも、世界中から優秀な人材が集まって切磋琢磨しているアメリカの環境を見て、グローバル化・世界的経済競争が進む現代で自分含む日本人・日本がこのままで本当に大丈夫か?という鮮明な危機感が芽生えたことが一番大きかったのかもしれません。この点でも全く偉そうなことは言えませんが、これから海外MBAに行く、もしくは海外MBAを目指す方は自分の拠り所になる軸を持ちながら、周りの優秀でかつ意欲も高い同級生と日々競争・協業していくと見えてくるものがあるのかもしれません。

振り返って最初の記事に書いたWhy MBA?に関しては、この2年弱を経験して、改めて単純な経済的費用対効果だけで考えると1,100~1,500万円前後の学費(北米)と500~1,000万円程度の生活費、加えて2年間の機会費用を払ってまで行く経済的な理由が多くの日本人(特に私費留学生)にあるのかなというのが実感です。というのも、インターナショナル生として留学して、英語力と前職での経験、あと多少のMBAでの学びを活かしてアメリカの投資銀行や投資会社、テック企業などで年収2,000万円は軽く超えて3,000万円に届くぐらいのポジションを勝ち取っている日本人留学生は残念ながらまだまだ少数派だからです。中国や台湾、インドなどから来ている同級生には一定数いるのですが。一方、日本国内に目を移すとコンサルや投資銀行、また一部の事業会社だけがMBAを評価し(むしろ日本以外の国でもMBAを過度に重宝することは無い様で、アメリカが特別とも言えますが) 、そういった一部の企業でも世界的に見ると6掛けか7掛け程度の待遇で、かつ海外MBAを経なくても転職できる可能性があるといった点が背景にあります。国全体で見ると若い世代が早い内からもっと海外に出て勝負した方が良いというのが今回MBAで初めて海外生活をした僕の揺るがない結論なのですが、個人レベルで見ると少なくとも海外MBAに関しては安易にお勧めできないというのがもどかしい所です。

それでも、(仮にMBA後の進路がどんな形になっていたとしても)前述の理由で僕はアメリカに来てからMBA留学を後悔したことは一度もないですし、これからも一生無いと思います。完全に余談ですが、前々職からお世話になっている&尊敬しているコンサル会社社長が常々語っていた「いいか、Taka、みんな投資回収の考え方を間違っている。回収できるって分かってるから投資するんじゃない。投資したからには死ぬ気で回収するんだ」という(日本にいた時は「何という精神論!(笑)」と思っていた)言葉の意味合いが、この海外MBA生活を通して初めて腹落ちしたような気がします。結局、海外MBA留学という投資にも、短期的に年収が2倍以上に上がるとか誰もが羨む企業に転職するといった分かりやすい回収ができる人はごくごく少数で、ただかと言って自分の将来の可能性を拡げる選択肢を(もし家族等の制約が無く取れるのであれば)安易に切り捨てる必要も無いのではというのが僕の結論です。端的に言うと、「甘くはない。けど長い目で見ると投資する価値はあるよ」といった所でしょうか。

長くなりましたが、最後に、これまでブログを読んで頂いた皆さま、本当にありがとうございました。所々僕がサボっていたため、妻のレストランの記事が多くなり食レポみたいなブログになっていましたが、少しでもこのブログが役に立っていれば嬉しいです。 僕は卒業後、運と縁があり昨年サマーインターンをしていたアジア特化のヘッジファンドで働くことになり、引き続きニューヨークに残ることにしました。MBA生活での学びと悔しさを糧に、これからもっと日々成長していきたいなと思います。

そして、これから海外MBAを目指される方、現在海外MBAに留学中の方、また他にも色んな挑戦・投資をしている方、本当に心から応援しています。もしご質問などありましたら遠慮なく本ブログからご連絡ください。

業界や環境は色々異なると思いますが、これからもお互い頑張りましょう!

※写真は、卒業式後に妻とビジネススクール校舎前で。休職して留学についてきてくれた妻には頭が上がりませんが、2年間で妻とアメリカ国内と海外25カ国以上を旅できたのも貴重な思い出です。

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