アメリカとフランス、どっちの生活水準が上?

今週からFall termも後半戦(B-term)。B-termから始まったGlobal Economic Environment (名前はややこしいがマクロ経済学)では、早速2回目の授業から後半15分を使ってチーム対抗のディベート。初回のディベートのテーマは「フランスの生活水準はアメリカより高いか?」で、僕達のラーニングチームがYes(フランス支持側)で討論に立つことに。GDPなど経済面での指標は当然アメリカの方が高く、不利なお題だなと思って色々な争点を検証していくと経済的な指標ではアメリカが高いものの、ジニ係数や不公平性調整後のHDI、各種社会的な指標でフランスに有利な材料が多く出てきたので、争点を1. 国民間の不平等、2. 雇用率(これは各種指標があり一概にフランス有利とは言えないのだが)や選挙参画率、休暇日数、3. 国民の健康、の3つに絞り、僕は2を担当することに。(1人の持ち時間1分だけとはいえ)初めての英語でのディベートだったためお世辞にも上手いとは言えないが無事終了。
双方の主張と、相手方の主張に対する反論、他の(聴衆側の)クラスメートからの質問・意見交換を終えて最後に結果発表。まずディベート前のアンケート結果が発表されたのだが、「フランス:57%、アメリカ:43%」という意外な結果に。なぜ意外かというと、コロンビアのクラスメートは60%がアメリカ人で、40%のインターナショナル生も全体の10~15%はアメリカバックグラウンドを持っているため純粋なインターナショナル生は25~30%しかおらず、当然アメリカ有利な結果になるものと想定していた。
そして、緊張のディベート後のアンケート結果発表。。僕以外でこの授業を取っている4人のラーニングチームメンバーは全員アメリカ人でディベートも比較的ソツなくこなすメンバーが揃っていたためフランス支持率が下がっていたら間違いなく僕のせいだと思っていた所・・・
「フランス:59%、アメリカ:41%」
かなりホッとした。。ラーニングチームメンバーに改めて感謝。。
授業が終わって、改めてアンケート結果の意外性が印象に残った。コロンビアに来ているメンバーはニューヨークもしくは引き続きアメリカで働きたいと思っているメンバーが大半である一方、生活水準はフランスの方が上だと思っている。これは隣の芝は青い現象か、単なる社交辞令か、はたまた現実的に若いうちはアメリカで稼いで老後はヨーロッパで暮らしたいと思っているのか。比較的リベラルな土地であるニューヨークにあるコロンビアだからこそのアンケート結果かもしれないが、(学生は全米各地から集まっており)いずれの理由にしても一定数のアメリカ人が生活水準を測る指標としてGDPなど経済面以外の観点も重要視している点は着目に値すると思う。
というのは、今後日本が進むべき方向性を測る尺度としてGDPや1人当たりGDPなどの経済指標が最も適切なのか、ジニ係数や労働参画率、有給消化率などの社会指標はどの様な役割を果たすのかより包括的に勘案する必要があると強く感じるからである。日本が持つ生活水準上の強みである豊かな食生活、良い治安、手厚い医療保険、整備され清潔な街並みなどは経済指標にはなかなか現れにくく、かと言ってGDPや1人当たりGDPなどの経済指標が示す日本の改善点も決して無視ししてはいけないと思うが、結局は今後日本がどの様な国になりたいか次第でそのウェイトも変わってくると思う(ちなみに、僕は日本の1人当たりGDPが他の先進国と比較して低い→労働生産性が低い→労働生産性を上げましょうという議論には特にアメリカに住み始めてから疑問を覚える様になったが、このテーマはまた別の機会に)。

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